About お酢
食酢を英語でビネガー(Vinegar)と言いますが、その語源はフランス語のVinaigre(ビネーグル)にあるそうです。Vinaigreという単語を分解すると、vin(ぶどう酒)+aigre(酸っぱい)。つまり、食酢はお酒が酸っぱくなったもの、と言う意味です。
人類がお酢を使い始めたのは、いまをさかのぼること1万年前と言われ、お酢についての一番古い記述は、3200年前になります。この世界最古の調味料は、様々な国でさまざまな原料から作られています。食べてよし、使ってもよしのお酢は、古来より西洋・東洋問わず使われて来た、類い稀に見る不思議な偶然の産物なのです。
キッチン便利帳
- 『あいうえお順』で掲載しています。
アク抜き → |
『色止め & 色出し』に参照
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泡立て |
◉酢はたんぱく質を凝固させる性質があるので、メレンゲを作る時や生クリームに泡立てる時に少し入れると、簡単にホイップできる。また、ゆで卵を作る時に湯に酢を加えておくと、殻が割れても白身が固って崩れずに茹でられる。
※ 200mlのクリームに対して小さじ1強くらいの割合 |
色止め & 色出し |
◉酢には色止めと色出しの作用がある。切るだけで変色するようなアクの強い野菜(レンコン、ゴボウ、長芋、マッシュルームなど)を切り分けた後、酢水につけることで、酵素の働きを止め、白さを保つ事ができる。逆に赤色や紫色の野菜や果物に使うと、それらの色をより鮮やかにする。
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カルシウム補給&吸収 |
◉酢には食材に含まれるカルシウムを溶かし、酢酸カルシウムを作るため、カルシウムの吸収を良くする作用がある。このため、魚の南蛮漬けや酢煮で骨まで柔らかくなるので、小魚料理は丸ごと食べれて上手にカルシウムを補給できる。 また、昆布を煮たり、戻す時にだし汁や水に酢を加えると、旨みを逃がさずにいっそう柔らかくする事ができる。
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臭み取り |
◉あじやいわしなどの青魚は仕上げに酢を加えると、アルカリ性のいやな臭みを酢の酸性が中和させて消すことが出来る。
◉川魚は、酢を少し加えた水に泳がせておくと、泥をよく吐き、泥臭さが抜ける。
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殺菌作用 |
◉酢には非常に強い殺菌力がある。魚の酢洗い、魚の酢じめ、魚の酢漬けなどの料理法があるのはそのためで、10分〜30分間で表面の菌は死滅する。ただし、このとき、酢は薄めずに使う。
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食中毒対策 |
◉冷蔵庫の中のふき掃除には、酢水を使うと殺菌・防腐・防カビの効果がある。食中毒の原因となるブドウ球菌・サルモネラ菌・大腸菌・0ー157などを殺菌するため、キッチン周りの掃除に使うと、予防になる。
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食欲増進 |
◉脂身の多い肉料理や煮物などに加えると、酢が油を分解して、さっぱりとおいしく食べられる。
◉肉・魚料理に加えるとやわらかく、食べやすくなる。
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ビタミンCの安定 |
◉酢にはビタミンCを安定させる性質がある。そのため、ビタミンCを酸化させる酵素を持っている野菜(きゅうり、にんじん、かぼちゃなど)や果物をすりおろしたジュースにする時には、少量の酢を加えるとビタミンCの減少をストップさせる事ができる。
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防腐剤効果 |
◉傷みやすいおかずにはお酢を数滴プラスするだけで、保存性が高くなる。夏場はお米1合におちょこ1杯のお酢を入れると、日持ちが効く。
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キッチン裏技 |
◉酸味は爽やかな風味をあたえ食欲を増進させるだけでなく、味をまろやかにする効果もある。塩辛いものに酢を加えたり、塩味の炒め物に隠し味として酢を落とすと、まろやかに仕上がる。酸味は、温度が高くなるほどツンとした刺激を感じるようになる。
◉魚を焼く時、表面にぬっておくと魚の皮が網にくっ付かないで、きれいに焼きあがる。
◉魚やイカを酢につけておくと、皮がはぎやすくなる。
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参考文献
「酢をおいしくたっぷり食べるレシピ」落合 敏 監修/成美堂出版
「お酢のパワーを使いきる!107の便利帳」落合 敏 監修/青春出版社
「こんなにもある!食酢のヘルシー効果」 滝野 吉雄 監修/永岡書店
「家庭でできる 特効 お酢健康法」 食品健康活用研究会・編/高橋書店
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